戦艦の論 THE SEVEN XVII「エヴァをやって評価され過ぎた。次に、彼らしいものを、実写で」













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11/3は初代ゴジラ封切日にして手塚治虫の誕生日(その2)





シン・ゴジラ』が生まれる15年前の予言 





【反復確認】 浜野助教授(1951 - 2014) インタビュー 抄
http://d.hatena.ne.jp/BRIDGET/20151103/1446561471 



ゴジラ』というのは冷戦をアイコンにして人間を襲うという傑作なんです。アメリカはそういう意味で、SFものでは1つも傑作を生めなかった。多分、『2001年宇宙の旅』のキューブリックはリアリティをもって未来を描くというところで日本の映画に惹かれたんだと思うんだね。「手塚治虫」さんに声をかけたというのも、手塚さんは絵が丸っこいから明るそうに見えるけど、ものすごくペシミストだよね。



モノリスは未来の神であって、手とかをなくして、異空間を移動して、ちょっとした冗談で猿に知恵をつけちゃうっていう。脚本では非常に合理的に描かれていたものを、映画でひどく神秘的に描いた。最初は「宇宙には人間以外の存在がいる」とかいうナレーションが入っていたんだけど、それだと非常に陳腐化しちゃうわけね。非常に神秘主義的なのに、科学的な学者が出てきてね、宇宙に違う存在がいてもおかしくないとか、学術的に確率を求める、なんて言っちゃうと、彼の思っている神秘主義とは乖離しちゃうから。未完結風の映画自体も、そういったところを残そうとした彼のしたたかな戦略じゃないかな。



普通の映画と言うのは、「黒澤明」さんもおっしゃってるんだけど、“心情を仮託できる人がいて、その人に感情を移入できる”というのがある。ところがこちらでは出てくる人物全員に感情移入できない。突き放されたまま話が延々続いて、突然後半には訳のわからない事になっちゃって、それですごく不思議な体験をするから真剣に考えちゃうわけね。初めてあんな映像体験をしたと思う。



アメリカが典型的にやってるのは、特にSF映画作家は日本の『ゴジラ』とかのファンでたくさん見ているじゃないですか。あれを完璧な絵にするとどうなるかってやってるんですよね。だから世界中で受け入れられたストーリーラインを探したときに、まずは日本に手を出した。すごく残念といえば残念ですよね、それを日本はきちっと実写映画化できないですから。要するに今の日本の映画界は30年経ったって言ってもこれをリメイクする力はないんです。もちろんこうしたテイストは出ないだろうけど、パクリでもいいからやってみようとしてもできないわけです、技術的な面で。



もう日本映画って、社会を切り裂くような鋭利なテーマってやらないじゃん。



でもやっぱり宮崎さんはすごいですよね。「ルーカス」だって「スピルバーグ」だって、彼ら映画人には環境主義者が多いんですが、どう環境問題を描いていいか分からない。だって環境問題は突き詰めていけば人間が悪なんだから。「スピルバーグ、おまえが悪者じゃん」ってことになるんだよね。生きてることが悪いってことになってしまうわけでしょ? それを宮崎さんは懲りずにやったんだよね。それを繰り返してやった。僕は『風の谷のナウシカ』ですごいと思ったけど、『もののけ姫』というあんなに“破綻のある映画”を平気で作った。それはなぜかというと量的拡大があるから、ああいう破綻のある映画も人々に受け入れられている。



押井さんはやたら『ブレードランナー』のことを言うよね、彼は映像がスタイリッシュですからね。僕は何をやっても支援したいと思っているのは「押井守」、「大友克洋」、「樋口真嗣」ですね。でも押井さんと大友さんはそこそこ支えられていますからね。僕はあいつ(樋口氏)を監督にしたいんだよ、『ガメラ』にしても「金子修介」監督のシーンになるとカクンと落ちるでしょ? あの特撮のところのテンションが維持されていたら『ガメラ3』もすごかったんじゃないかと思うんだよね。どうして映像で説明するの、っていうことですよね、どうせやっても分からないんだから。



富野由悠季」さんは、『スター・ウォーズ』をかなり意識して破綻のないストーリーに移行させて、正義も悪もなくして、昔話の形を持ってきて…、そういうものを作りたかったんだって。非常に日本的だよね、どっちも悪くないのに戦わなくちゃいけない。そういう混沌としたアメリカ的でない状況を描こうとした。富野さんは理論的に語れない人だから混乱しちゃうんだけど、よくあれだけ撮れると思いますよね。富野さんの世界というのは奥が深いですよね。アメリカでは『ガンダム』が第二の『ポケモン』って言われるくらいヒットしているんですけど、すごい“資産”ですよね、日本のアニメは。いい人がすごくいますよね。



やっぱりすごい演出ですよね、メリハリが効いていて、量が多いから、危険なことにもチャレンジできるじゃない。量が少ないと怖くて、当たらないと次ができないから冒険できないじゃないですか。アニメーションは冒険だらけですよね。『鉄腕アトム』なんてだらだら続いていたけど、富野さんは『アトム』のころからの人だから、あらゆることをやったって言ってますよね。そこで鍛えられているから、あの手この手の“引出し”がすごくあるんですよね。だって押井さんの『うる星やつら』なんて実験アニメじゃないですか。アニメーションだからって許されるのであって、あれが実写だったら怒られるよね。



庵野秀明」さんは次じゃないかな。



軸がぶれているから。自分を抑えてあそこまできっちりできるなんて。ある種の時代の風を受けて『エヴァ』をやって評価され過ぎたと思う。次に彼らしいものを、実写でここのところやっているけど、まだどうなるか見えない。ものすごい樋口と仲いいでしょ? 


(2000年末取材 協力/早川書房 東京大学新聞)















〜 艦隊コレクション 2 〜 
集団的ディフェンス (更新)




超弩級
ゴジラ』、『鉄腕アトム


弩級
七人の侍』、『2001年宇宙の旅


戦艦級
ウルトラセブン』、『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』、『新世紀エヴァンゲリオン





航空戦艦
ターミネーター2』、『地獄の黙示録


巡洋戦艦
タクシードライバー』、『太陽を盗んだ男


重巡洋艦
隠し砦の三悪人』、『未来少年コナン』、『AKIRA


巡洋艦
ブレードランナー』、『エイリアン』、『エイリアン2』、『風の谷のナウシカ





突撃駆逐艦
『レオン』、『切腹』、『プライベート・ライアン


ミサイル駆逐艦
地球防衛軍』、『宇宙戦争 War of the Worlds』、『ターミネーター』、『ブラック・レイン


特別駆逐艦
おおかみこどもの雨と雪』、『野獣死すべし


水雷艇
カプリコン・1』、『戦国自衛隊』、『ファイナル・カウントダウン』、『GALACTICA/ギャラクティカ』、『沈黙の艦隊


快速艇
シン・ゴジラ』、『バトルシップ





その他の艦艇
ウルトラマン』、『ヒドゥン』、『アバター』、『サンダーバード』、『宇宙大戦争』、『アルマゲドン』、『ディープインパクト』、『インデペンデンス・デイ』、『若き勇者たち』、『勇者ライディーン』、『伝説巨神イデオン』、『超時空要塞マクロス』、『フランダースの犬』、『タイタニック』、『フィフス・エレメント』、『マトリックス』、『攻殻機動隊』、『機動警察パトレイバー』、『宣戦布告』、新『ガメラ』、『人狼 JIN-ROH』、『ランボー 怒りの脱出』、『ライトスタッフ』、『フィラデルフィア・エクスペリメント』、『ダリル』、『ウォー・ゲーム』、『サマーウォーズ』、『戦火の勇気』、『ラストサムライ』、『獅子の時代』、『八重の桜』、『坂の上の雲』、『シン・レッド・ライン』、『戦場のメリー・クリスマス』、『日本のいちばん長い日』、『ジャッカルの日』、『合衆国最後の日』、『24 -TWENTY FOUR-』、『スピード』、『新幹線大爆破』、『動脈列島』、『皇帝のいない八月』、『ボーン・アイデンティティー』、『プリズン・ブレイク』、『悪魔のようなあいつ』、『太陽にほえろ!』、『アルプスの少女ハイジ』、『ミュンヘン』、『クローバーフィールド/HAKAISHA』、『みゆき』















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