戦艦の論 THE SEVEN VII「避難民よりガンダムが先だ。ホワイトベースに上げて戦闘準備させるんだ」





語源辞典 その一 「母の日」
http://gogen-allguide.com/ha/hahanohi.html
(母の日のルーツは少女アンナ)







【部分再録】 〜 「母の日」には 花 を 〜

2014-05-11 戦艦の論 5-10 より
http://d.hatena.ne.jp/BRIDGET/20140511/1399750465




 「どうして “ 花 ” って言うの?」



「名前?」



 「うん。」



「私が産まれた時、裏庭にコスモスが咲いていたの、自然に咲いたコスモス」

「それを見て、父さんが思いついたんだって、花のように、笑顔を絶やさない子に育つようにって」

「つらい時とか苦しい時に、無理矢理にでも笑っていろって」




日本興行収入160億円を突破し、なおも勢いに乗る『アナと雪の女王』の「アナ」は、「アンヌ」の英語読みであり、語源は “ 慈 愛 ” を意味するヘブライ語「ハンナー」(Channah)から起こっている。ちなみに「セイラとサラ」がそうであるように、「ハナとジャンヌ」、「花子とアン」、も同系統の名前だ。


ところで、野に咲く、名のない花のシーンで始る『おおかみこどもの雨と雪』の主人公の名前も「花」である。なんだか作品タイトルが『アナ雪』と似ている『アメ雪』の、母親名の由来をこじつけに、慈愛溢れる「ハナ」としてみると、偶然に間違いないが「花とアンヌ」はシンクロしている。






 

【部分再録】 〜 元、父の日 〜  


2015-05-19 戦艦の論 6 - 6 より
http://d.hatena.ne.jp/BRIDGET/20150519/1431965633





 「テロリストなの ?」



「よそから来た奴らだ」



 「ヨーロッパから来たの ?」



「ヨーロッパなわけねーだろっ !!」




息子ロビーに本気ツッコミするレイの名前は、レイ・ハリーハウゼンから来ていると思われる。

 1. レイ (トム・クルーズ) ← 「レイ・ハリーハウゼン」 『原子怪獣現わる』監督
  車の中でヒステリーをおこす妹は、
 2. レイチェル (ダコタ・ファニング) ← 「レイチェル」 『ブレードランナー』のアンドロイド(ショーン・ヤング)
  それをなだめるのが得意な兄は、
 3. ロビー (ジャスティン・チャットウィン) ← 「ロビー・ザ・ロボット」 『禁断の惑星』に出てきた、一般的ロボットの原型
  特撮の父に、SF界のトップヒロインなど、日本のアニメ・特撮に大影響を与えた名キャラクターを勢ぞろいさせている。

 4. オグルビー (ティム・ロビンス) ← 「オーグルビー」
  小説『宇宙戦争』主要人物にして、序盤の犠牲者の一人


そして、端役の新父ティムは、


 5. ティム (デイビット・アラン・バスケ) ← 萌えの父「手塚治虫
  (アムロのお父さんテム・レイ博士の由来もここから)


別れた妻でレイチェルとロビーの母親は、


 6. メリー・アン (ミランダ・オットー) ← 萌えの母「友里アンヌ」
  (ウルトラ警備隊のほか、科特隊パリ本部隊員もアンヌ、同インド支部隊員は真里アンヌ。メリーアンとマリアンヌが同系統の名前ならば、真里アンヌと一字違いの友里アンヌとメリー・アンは連結する)




【部分再録】  他人の空似




おおかみこどもの雨と雪

 母「花」 ← 「アンヌ」(アン、ハンナ、ハナは同じ語源)
 姉「雪」 ← 「森雪
 弟「雨」 ← 「綾波レイ」(髪型と赤瞳のルックスが)




スピルバーグ監督が「父と子たち」によって、原子怪獣とレプリカントと旧式ロボに敬意を表明したように、細田守監督は「母と子たち」によって、セブンとヤマトとエヴァへの愛を宣言した(ように解釈できる)。「戦艦の論」では、「オマージュ」と言えるような主体的関与は不明ながら、偶然とみなすには似過ぎている事象を「シンクロニズム」と呼んで、公的解説と区分けしてきた。これからは、そのような私的解釈論の中でも、神話的キーワードで表象されている例を「憧憬の空似」として、明らかに見極めていく。






 _ 再録おわり(以下から現在)





他人の空似 二





「ん、アムロ、避難しないのか?」


 「父さん、人間よりモビルスーツの方が大切なんですか !!」



「早くホワイトベースへ逃げ込むんだ」



 「ホワイトベース?」



「入港している軍艦だ」







一昨年、母の日の投稿で、「花」と「アンヌ」のシンクロは偶然とし、昨年は父の日に絡み、「テム・レイ博士」の由来は「手塚治虫」だったと紹介した。今年も父母キャラクターの命名感覚について、改めて深掘りしてみたい。


アムロのお父さん、テム・レイ(「ティム・レイ」)のレイは零戦のレイだ。先にアムロのネーミングがあって、零戦の開発番号(A6M)を由来としたのが、やや苦しい表向き(後付け)の理由となっている。ところで、エジプト神話には「テム」という天地創造神が存在する。故にイメージ上の出自はこちらの可能性もある。エジプト九柱の神々の筆頭格でアトゥム、アテム、トゥム、アトムとも呼ぶとのこと。手塚どころか、その代表作にもつながった。


アトムが原子力を動力源にするところはガンダムに同じ。そして鉄腕アトムにシロウ(天外伺朗)をかけ合わせ訛らせると、テツワムアムロウ→ テム=アムロ になる。これは、ガンダムが仮の名「ガンボーイ」と呼ぼれていた時の設定「テムロ・アムロ」に近いことがわかる(企画メモ参照)。したがって「零戦」は、露骨にアトムを連想させないようカモフラージュするための、追加アイテムだったと想像できる。





いずれにしても、ガンダムの「生みの親」と「主人公」と「主役ロボ」がアトムの後継であることに違いない。また、底知れぬ手塚の偉大さをも物語っている。大事な存在のネーミングや神話の成形は、機械的、偶然には行われない。大切なものであればあるほど、名付け親は、恣意的に考え、至当な語感かどうかを繰り返し確かめる。残された公式書類に記載されている「事実か否か」は、ネーミングの「真実を探る」上であまり関係ない。インタビュアーが高リテラシーでない限り、原作者が神話から由来していると語ったところで、ちゃんと理解した記事にならないので、あとで、適当な思いつきが付け加えられたり、作為的な理屈がネット上で一人歩きすることもある。



日本(地域)に記録文字(漢字)が本格的に伝わってきたのは三世紀頃と考えられている。それに対して、固有の音声言語(やまとことば)が発達したのはそれより遥か昔である。では、記録に残っている以前の言葉はいったいどこから生じてきたのであろうか。日本人そのもののルーツに関わることで断定はできないが、渡来について興味深い説がいくつかある。「ヨーロッパから来たの ?」



「ヨーロッパなわけねーだろっ !!」



例えば、古代パレスチナで用いられた言語だ。ノア、ソロモン、ダビデ、シオンと言えば、馴染みのガンダム語辞典にも載っていそうだが、もともとヘブライ由来だ。伝播力の強い三千年の歴史をほこるヘブライ神話が、古代日本列島にだけまったく到達しなかったとは考え難い。その他多くの地域では強国の侵略を受けるごとに、文明の劣化と上書きがなされるが、日本だけは世界でも類例のない超長寿国家なので、その影響が、時々の外来思想の影響を受けて、大きく変質したり成熟化することはあっても、根絶やしにはされなかったと考える方が、自然ではないかと思われる。



つまり、キリストのおばあさんの名前である「アンナ」と、いつも笑顔の表情を見せる「花」のルーツを遡ると、かなり近いところに行くのではないかという空似論だ。美的認識の共感理由は、絶対言語級の課題かもしれないし、専門的には音声感覚のジャンルなのかもしれない、遺伝子レベルの刷り込みかもしれないし、いまのところ正直よくわからない。



語源辞典 その二「花」
 http://gogen-allguide.com/ha/hana.html
 (ハナ=アンナ説はどこにもない)



アムロのお母さん「カマリア・レイ」は、キリストのお母さんの名前に「かあさん」(かか様)の「か」をつけたのだと推測できる。マリア、マリ、メリー、も同源とみなすと、メリー・アン(『宇宙戦争』のおかあさん)は、キリストの母と祖母の最強のタッグだったわけだ。さて、急に私的な話題に転ずる。昨年、実家の家系図を見る機会があり、早くに亡くなった父方の祖母の名前が「ハナ」であることに気づいた。アンヌにこだわって論を始めた自身のファミリーヒストリーについては、話がズレて長くなりそうなので、次の機会に譲る。



















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