シンクロニズム 戦艦の論 5-10 「あの雲を払って、君の未来照らしたい。この夢を抱えて、一人歩くよ」









[サラ と 重患の戦士] 脚本・監督ジェームズ・キャメロン 方面




〜 言うんじゃなかった ! 〜



「、、ねぇ、カイル」

「、、あなたの時代の女性って、どんな風なの?」



  「勇敢な戦士だ」



「そういう意味じゃなくて、、」

「だれか特別な人いたの?」


  
  「特別?」



「恋人ってことよ」



  「いない、一度も」



サラが優しくなでているカイルの背中には、
ラヴィスベトナムで負ったのと同様、大きな傷跡がある



「かわいそうに、苦痛ばかり背負って」



 「苦痛は制御できる、切り離せばいい」



「心にふたをするってこと?」



サラの思いやりに触れ、強がっていたカイルは初めて本心を打ち明ける
危険を冒したのは、世界を救うためだけではないことを



 「時を越え、会いに来た。愛してる、ずっと前から!」




未来からやって来たカイル・リースは、抵抗軍リーダー「ジョン」の母親殺害をもくろむ、初代ターミネーターとの戦闘によって負傷していた。軍の命令プラス、個人の願望としての二重目的を抱えていることは、厳重に秘匿されている。しかし手当てを受け、慈しみがさらにエスカレートするに及び、傷ついた戦士の身を心配する彼女に対し、一途な想いを白状することになった。


無名監督が撮った『ターミネーター』は、新聞にコラムを持つような偏狭な評論家から、当初B級以下のホラー扱いを受けた。しかし、低予算ながらも中身は、時代考察、SF・エンタテインメント、ミリタリー・アクション、ヒューマン・サスペンスであると同時に、究極過ぎる「ラブ・ストーリー」でもあった。これを最初に評価し、ヒットムービーに押し上げたのは、当時の若いビデオオタクたちであった。


「マットジャイロ」や「ガンタンク」チックなメカとの未来戦争シーンに、日本の特撮ファンやアニメファンも追随し、ハリウッド映画市場をジャブジャブに潤した。彼らの援護により、人気と資金を獲得したキャメロンは、次回作製作の権利を勝ち取り、全世界興行収入NO.1の座を奪い取った。









[花 と おおかみこどもの雪]2  監督 細田 守 方面




〜 「母の日」には 花 を 〜




 「どうして “ 花 ” って言うの?」



「名前?」



 「うん。」



「私が産まれた時、裏庭にコスモスが咲いていたの、自然に咲いたコスモス」

「それを見て、父さんが思いついたんだって、花のように、笑顔を絶やさない子に育つようにって」

「つらい時とか苦しい時に、無理矢理にでも笑っていろって」




日本興行収入160億円を突破し、なおも勢いに乗る『アナと雪の女王』の「アナ」は、「アンヌ」の英語読みであり、語源は “ 慈 愛 ” を意味するヘブライ語「ハンナー」(Channah)から起こっている。ちなみに「セイラとサラ」がそうであるように、「ハナとジャンヌ」、「花子とアン」、も同系統の名前だ。


ところで、野に咲く、名のない花のシーンで始る『おおかみこどもの雨と雪』の主人公の名前も「花」である。なんだか作品タイトルが『アナ雪』と似ている『アメ雪』の、母親名の由来をこじつけに、慈愛溢れる「ハナ」としてみると、偶然に間違いないが「花とアンヌ」はシンクロしている。


ウルトラ警備隊隊員で、かつメディカルセンターの看護士でもある「アンヌ隊員」は、戻るべき家庭と庇護者のない境遇ながら、いつも笑顔で仲間を励ましてくれる、慈悲深い月光菩薩のような存在であった。愛らしい顔に反した魅惑的なスタイルの持ち主で、戦闘服、ナースコス、ともに揃ったキャラのルーツ、、。当世風の表現に言い直せば、「萌え」の母と言ってもいい。


後の「森雪」や「綾波レイ」という、華奢で妖艶なのに健気に闘う、新しい時代のヒロイン像を、ここで造形、もしくは産み落としたというのが、かねてからの「戦艦の論」の主張だ。


 「アンヌ隊員」 → 「森雪」、「綾波レイ

 森雪なくして綾波なし、アンヌなくして森雪なし。

 参照 2012-05-31ハンサムウーマン MS-01 シンクロニズム 戦艦の論 14
  → http://d.hatena.ne.jp/BRIDGET/20120531/1338394110
  (幕末のジャンヌ・ダルク「八重」と「セイラ」にも言及)


さて、「おおかみおとこ」と恋に落ちた「花」のラブ・ストーリー、、。と、思いきや、やっかいながらも愛すべき子供たちの、母親からの自立が主題だったという『アメ雪』は、姉弟が、それぞれ「森雪」と「綾波レイ」のルックスを引き継いでいる。


「雪」は、名前がそのままだし、「雨」は、英訳レインと「レイ」と、語感もシンクロする。これにケモ耳を付ければ、萌えのキャラクター設計としては完璧だ。




“ 萌 え 萌 え 〜 、キ ュ ー ン ”




20140601035134




「花」の声を担当したのは「宮崎あおい」で、ブレイクはのきっかけは『NANA』 の「奈々」だった。笑顔を排したキービジュアル、視線の先にあるのは各々の未来か、、。
 







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