シンクロニズム戦艦の論フィフスシーズン - 0 「悪いが、免停まで残り一点だし、今日はこのタクシーを車検に出すんだ」

救世まで「八艘飛び」要約

時は2214年ニューヨーク。
高度に統制された管理システムと、親会社に逆らえない雇い主に対し、
なすすべない元軍人タクシードライバー「コーベン・ダラス」は、
スラムビルのカプセルマンションでくすぶっていた。

特殊部隊のエリートとして鳴らした彼は、
ヨタヨタのジャンキーに最新武装で押入れられようと、
どんな武器にも精通しているので、いささかも動揺せず追い返すことが出来た。

ある日、彼は天空のオフィス街を流し、
タクシーの屋根を突き破って墜ちて来た、無垢な天使「リールー」に出会う。
彼女は地球を救うために、遥か彼方からやって来た人造少女であった。

唐突に異常なくじ運を身につけた健康優良不良運転手は、
だれもが憧れる豪華宇宙客船「フロストン・パラダイス」への、
二人分チケットを獲得し、さらに、いくつもの偶然が重なり合い、
きっぱり引退した軍の最重要指令を受け入れると、
SF映画大作史上初めて、整合性の呪縛を乗り越えた。

そして、
「秘石」を廻る激しい戦闘によって、沈没するフロストン・パラダイスを脱出した、
コーベンとリールーの「　　」は、地球最後の宇宙戦艦を消滅させた、
邪悪な知性体を直撃し、世界は次の大戦まで延命した――。

エイリアン・ディーバの遺言。

　　「彼女に石を、、」

　「誰に？」

　　「宇宙を救うために遣わされた至高の存在。」

　「リールー？」

　　「彼女は、あれでもか弱いの」

　　「あなたの助けと、あなたの愛がないと、死んでしまう、、」

映画の設定より300年前、今年から数えると100年前、全宇宙を救うための鍵(石)は、
何ものかのスペースシップによって回収された。

大戦前の地球は、「石」の補完場所に適していたが、
戦争テクノロジーの急速な発達によって、安全な場所ではなくなっていた。

その1914年。

　8月1日ドイツがロシアに宣戦布告

　8月3日ドイツがフランスに宣戦布告

　8月4日イギリスがドイツに宣戦布告

『フィフス・エレメント』(五つの要素)とは、

鉢植えの『レオン』を、

ビニールハウスの『ブレードランナー』(1)に移植し、

『スター・トレック』(2)と『地獄の黙示録』(3)と『タイタニック』(4)の、空気、水、養分を与え、

光の「ウルトラマン」(5)　<エネルギーとしてだけではなく、有害因子登場でプラネットアースが危機に陥ると、これを救う神のような宇宙人が来て、命がけで守ってくれる>　で、育てた映画作品である。

また、将軍配下の大柄な軍人女性は「AKIRA」の、
ゲリラおばさん「チヨコ」をモチーフにしているように見える。

少なくともリールーが高層ビルから舞い降りるシーンと、客船内シアター内で繰り広げられる重火器によるダンシングバトルは、
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』からの影響が濃厚だ。

『タクシードライバー』のような筋書きや設定に裏の意味はなく、
作品テーマは LOVE であるが、恋愛ではなく、リュック・ベッソンの、
映画・テレビ・マンガへの愛である。

彼方からやって来たユリーシャも、ウルトラマンやリールーのように命を落としたが甦った。