「ブログ売りの少年」
『湾岸戦争』編
火遊び大好き少年は、ためたお年玉と前借りしたお小遣いで買い集めた打ち上げ花火持って、その日お台場に行きました。
ここならみんなが見て喜んでくれるはずだ、とウキウキしていた彼は、ちょっとしたいたずら心から、大勢の人たちの不意をついて、背後からその導火線に火を着けました。
一緒にいた友だちが歓声をあげると、ゴルフの素振りをしていた敷地の持ち主が気付いて
「誰に断ってそんなことやってるんだ!!」
と、怒りをあらわにして水をかけてしまいました。
「お前はどこの生徒だ、先生に言いつけてやるぞ」
そして、すぐに先生を呼びつけました。
先生は恐縮しながら
「二度とこんなことするんじゃないぞ」
と諭しますが、彼は理不尽さでいっぱいです。
「だってみんな花火見たがってるじゃないか…」
「だからって、好き勝手なことできないだろ。社会にはルールがあるんだから」
「じゃあ、僕が買った花火湿気ってしまったけど、その責任はどうするんだよぅ」
「そうだなぁ」
「じゃあわかった、先生がある人にもっと面白いことできないか頼んでみるよ」
「ある人ってだれ」
「ペリーって言う人だよ」
「外資系なの?」
「いや、黒船に大砲積んでる人だよ、台場にとっても関心があるって言ってた」
「それ、台場違いだけど」
「細かいことはいいよ。それで、ちょうどあのビルの屋上に、変な丸いものがあるだろ、あれを撃ってフッとばしてもらうんだよ、どうだ?」
「先生! 面白すぎるよ!!」